炭酸飲料で歯が溶ける?
2019/09/19
朝夕、肌寒くなってきましたが、今年も暑い日が続き、冷たい飲み物ばかり飲んでいませんでしたか?
特に、シュワシュワとした爽快感に魅かれ、炭酸飲料を口にすることが多かったのではないでしょうか。
最近では、さまざまなメーカーから多くの炭酸飲料が販売されていて、無糖やフレーバー付きの炭酸水は割り材のほか、ソフトドリンクとして直接飲用する習慣が定着してきました。
㏗5.5で歯が溶け始める
「炭酸飲料を飲むと歯が溶ける」という話を聞いたことはありませんか?
炭酸飲料とは、大きく水に炭酸ガスを入れた炭酸水と、炭酸水に甘味料や酸味料、香料などを加えたものに分けられます。歯に悪影響があるのは強い酸と糖分です。
中性の水は、酸性かアルカリ性かを示す㏗値が7。㏗が7より低いと酸性、高いとアルカリ性となり、㏗5.5以下になると歯の表面のエナメル質が溶け出します。
これを酸蝕症(さんしょくしょう)といいます。炭酸飲料やスポーツドリンク、ワイン、柑橘類などの酸性度の高い飲食物が歯に触れることで、虫歯ではないのに歯が溶けてしまうのです。
無味の炭酸水も気を付けよう
添加物のない無味の炭酸水は弱酸性なので、時々飲むには歯への影響は少ないといえます。
ただ、無味でもクエン酸や酸味料などが入ったものもあります。気を付けたいのが、フレーバー付きの炭酸水。特に、レモンなどの柑橘系フレーバーの炭酸水は、オレンジジュースと同じくらい酸性度が高いものもあります。
「砂糖が入っていないから安心」ではなく、カロリーゼロの炭酸飲料もクエン酸やリン酸、人工甘味料など酸性の添加物が入っている場合があるので成分表記を確認しましょう。
糖分の入った炭酸飲料は要注意
コーラやサイダーなど砂糖の入った炭酸飲料は、オレンジジュースよりも㏗が低く、㏗3以下のものが大半です。さらに砂糖が多く含まれているため、歯が溶けるスピードがより速くなり、虫歯の原因にもつながります。虫歯菌は糖を餌にして、歯垢を作りその中で歯を溶かす酸を出します。
炭酸を楽しむためのポイント
酸から歯を守るためには長時間、歯を酸にさらさないことが大事。下記のように炭酸の飲み方に注意しましょう。
1 砂糖や柑橘系フレーバーに気を付けよう
砂糖が入っていなくても、人工甘味料や酸性の添加物が入っているものは、飲む頻度を考えよう。
2 すぐ飲んで口の中にためないようにしよう
爽快感を楽しむために、口の中に溜めておくと、歯が酸にさらされダメージが加わります。
ストローを使って飲むと負担が軽減されます。
3 続けて飲まないようにしよう
唾液には、口の中を中性に戻す役割があります。
常に炭酸飲料を口にしていると、中性に戻るタイミングがなくなるので、歯が溶ける可能性が高くなります。
4 飲んだらうがいか水を飲もう!
炭酸飲料を口にしたら、なるべく水やお茶を飲むか、うがいをして口の中を中性に戻すと良いでしょう。
5 寝る前の炭酸飲料は避けよう
就寝中は唾液の分泌が減り、口の中が酸性に傾きます。そのため、寝る前は無味のものであってもおすすめできません。
熱中症予防で水分補給が常識になるなか、水の代わり、ダイエットや美容を理由に炭酸水を飲む人も多くなってきました。
歯にとっては普通の水を飲むことが一番安心ですが、炭酸を含む飲み物をとる場合は、少しの心がけをおすすめします。