2022/12/29
知覚過敏とは?
知覚過敏とは、エナメル質や歯ぐきに保護されている「象牙質」と呼ばれる組織が露出することで、むし歯はないのに、冷たい水が歯にしみたり、歯ブラシを当てたときにピリッとした痛みが起こる症状のことをいいます。甘味や酸味の強いものも、知覚過敏を起こす刺激物になります。痛みは一過性で、刺激がなくなると痛みもなくなりますが、ときには歯みがきに支障をきたすほどの痛みをともなう場合もあります。
知覚過敏の原因とは?
●間違った歯磨き方法
硬い歯ブラシでゴシゴシと力任せに磨く習慣があると、歯の表面のエナメル質が傷ついて削れられてしまい、知覚過敏を引き起こします。いくら強く磨いても一度の歯磨きで削られるわけではありませんが、毎日力任せに磨いていると、徐々にエナメル質が削れて知覚過敏になってしまいます。
●歯ぎしり
歯ぎしりもまた知覚過敏の原因の一つです。歯ぎしりによりエナメル質が削れたり割れることがあるため注意が必要です。歯ぎしりの原因は、ストレスや疲れ、噛み合わせの悪さだと言われており、また歯を食いしばる癖も、同様の理由で知覚過敏を引き起こします。
●噛み合わせの悪さ
噛み合わせが悪いと、一部の歯に強い負荷がかかり、歯が削れて知覚過敏を引き起こします。
●歯周病
歯周病は、歯を支える組織が破壊される病気です。進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされ、歯ぐきが下がり、やがて歯の根や象牙質が露出してしまい、知覚過敏を引き起こす原因となります。
●酸
飲食物の“酸”によって、歯のエナメル質が溶かされ、知覚過敏を引き起こします。酸性度が高い食品の例としては、炭酸飲料·アルコール·柑橘類·梅干し·酢などが挙げられます。酸性の強い食べ物を、長時間口に含んだり、過度に摂取したりすると、いつの間にか“酸”によって歯のエナメル質が溶かされてしまいます。このように食品などに含まれる酸によってエナメル質が溶けてしまう症状を「酸蝕歯(さんしょくし)」と言います。
●加齢
加齢により歯ぐきが下がることで歯の根の表面が露出し、知覚過敏を引き起こすことがあります。
□ 冷たい食べ物や飲み物、熱い食べ物や飲み物で歯がしみることがある
□ 歯磨き時に歯ブラシの毛先が当たるとしみることがある
□ 甘いものやすっぱいものに歯がしみる
□ 歯ぐきが下がり、歯の根元が見えている
□ 歯が長くなったように見える
□ 冷たい風に当たったときに歯がしみる
□ 歯ぎしりをする
●ひとつも当てはまらない方
健康です。この状態を維持してください。
●1~3つ当てはまる方
知覚過敏になっている可能性があるので、歯科医院で診てもらいましょう。
●4つ以上当てはまる方
知覚過敏になっているようです。歯科医院で診てもらいましょう。また、必要があれば知覚過敏の治療をしてもらいましょう。
やさしい力で歯磨きをする
歯ブラシの硬さは“ふつう”のものを使用し、歯ブラシの毛先が多少しなる程度のやさしい力で磨きましょう。強く磨いた方が歯の汚れが取れると思いがちですが、実際には歯に負担がかかるばかりで、汚れの除去効率は悪くなります。
歯に優しい歯みがき粉を適量使う
歯みがき粉には、様々な薬効成分が含まれているため、知覚過敏用の歯みがき粉がおすすめです。知覚過敏用の歯みがき粉に含まれる硝酸カリウムが歯の神経の周りにバリアを作り、知覚過敏の症状を軽減させます。また、フッ素が含まれた歯みがき粉は、歯の表面のエナメル質を強くするのに効果的です。
歯を食いしばらない
歯を食いしばる癖は、意識することで減らせます。日中、歯を食いしばっていることに気がついたら、意識して上下の歯と歯を離すように心掛けましょう。
しっかりと噛む
しっかりと噛むことで、唾液の分泌が促進されます。唾液には、再石灰化作用があり、歯から溶け出したカルシウムやリンなどのミネラルを再び歯質に取り込みます。歯質が修復される事によって、知覚過敏の症状が治まってきます。また、キシリトールガムを噛んで、唾液の分泌を促進させるのも良いでしょう。
気になる方はすぐに受診を
知覚過敏の原因に応じて、しみ止めの薬を使用したり、レジンという歯科用プラスチックを使って知覚過敏を起こりにくくしたり、様々な治療法がござます。少しでも気になる方は、お気軽にご来院くださいませ。