2024/08/29
虫歯予防のため、フッ素に効果があることは知られていますが、どのような働きがあるのでしょうか。
今回は、フッ素の働きや効果的な使⽤⽅法などをご紹介いたします。
①再石灰化を促進すること
再⽯灰化とは、食事後に口の中が酸性になり、カルシウムやリンが歯から溶けだしてしまったところを補給して、
⻭を元の健康な状態に戻すことをいいます。
初期むし⻭の進行を修復する働きがあります。
②歯の質を強化すること
フッ素が歯の表面を覆うエナメル質に取り込まれることで、酸に溶けにくい強い歯の性質になり、むし歯への抵抗力を高めます。
③菌の活動を抑えること
フッ素には、むし歯菌の活動を弱める作用もあるため、口の中の環境を整える作用があります。
この3つの効果を出すためには、フッ素が口の中に長く留まるような工夫が必要です。
■歯が生え始めてから15歳くらいまで
フッ素塗布は、お子さまに限らず、大人でも受けることができますが、
乳歯が効果が高いことから、乳歯をもつお子さまへ特におすすめしています。
フッ素をはじめる時期は、歯の生える時期。
個人差がありますが、おそらく、1歳前後から生え始めるお子さまが多いでしょう。
フッ素塗布を終える時期としては、14~15歳頃を目途にしています。
こちらも個人差はありますが、永久歯が生え揃うのが13~14歳頃になりますので、
そこから生えるまでの期間を考えています。
生えたばかりの永久歯は、唾液中のミネラルが取り込まれることで、強い歯に育ちます。
フッ素を上手に活用して強い歯を目指しましょう。
■フッ素塗布でむし歯にならない?
フッ素塗布は「虫歯予防」に効果がありますが、むし歯にならないわけではありません。
毎日の歯磨きをしないと、フッ素を塗っていてもむし歯になってしまいます。
正しいブラッシングなどのセルフケア、お子さまでしたら仕上げ磨き等、日々のケアもしっかりと行いましょう。
フッ素が配合されている歯磨き剤を使う場合は、お子さまの年齢別に使う量が推奨されています。
成分の働きをできるだけ高めるように、適切な量を使うようにしましょう。
● 2歳まで 切った爪程度の少量
● 3~5歳 5mm以下
● 6~14歳 1cm程度
● 15歳以上~成人 1~2cm程度(約1g)
歯磨き剤はフッ素含有量の多いものをお勧めします。
5歳以下は950ppm含有の製品、6歳以上は1450ppm含有の製品をお選びください。
また、歯磨きが終わった際のすすぎうがいについて、注意があります。
うがいを繰り返したり、大量のお水ですすいでしまうと、せっかくのフッ素の量が減ってしまいますので、
すすぎは少量の水で、回数も少なめ(できれば1回)にしましょう。
■フッ素塗布後の注意点
● 塗布後30分はうがいや飲食をしない
● フッ素塗布時に口にたまった唾液は飲み込まない
定期的な歯科でのフッ素塗布と、歯磨き等のお家でのフッ素ケアを上手に並行してむし歯予防を続けていきましょう!
フッ素塗布の疑問や不安なことがありましたら、お気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。