2023/10/31
根っこの治療は「なんでこんなに時間がかかるんだろう?」って思ったことありませんか?そもそもどういう治療をしているんだろう?と疑問に思われる方も多いと思います。
根っこの治療とは、歯の根っこ(歯根)にひそむ虫歯菌や細菌を特殊な器具を使って除去し、歯の神経を抜く治療方法です。深い虫歯になると抜歯になる場合がありますが、根管治療により、神経などが通る根管をきれいにして殺菌することで歯を残せる場合もあります。
■治療の流れ
①カウンセリング・検査をします。
痛みの状況をしっかりとお聞きし、その後、お口の検査を行います。
視診、打診、咬合痛、根尖部圧痛、歯周ポケット検査を行います。レントゲン写真を撮り、根の先の病巣の広がりを確認します。
②根管内部を清掃します。
虫歯を削る際と同じように麻酔をします。
根管の内部を、歯の根の状態を見ながら専用の器具を使って汚れや細菌を除去します。
通常の場合、根管の清掃は1回の治療で終わらず、数回行うことが多いです。
③お薬を根管に詰めます。
丁寧に根管清掃を行った後、抗生剤や殺菌効果のあるお薬を入れます。
これを貼薬と呼びます。貼薬は根管清掃とくりかえし行い、根管内部を徹底的に洗浄します。
仮のフタをして患部を保護します。
④根管をフタで密閉します。
根管内部が綺麗だと確認できたら、抗生剤や殺菌効果のあるお薬を入れ、フタをします。
その際、歯を削る量が多く歯が薄くなった場合、コアと呼ばれる土台を入れて補強します。
⑤かぶせ物をして根管治療が完了します。
お薬を入れてフタをしたら、型取りをしてかぶせ物を歯に装着します。
素材は保険では、銀歯、硬質レジン、硬質レジン前装冠、自費ではセラミック、ジルコニア、ゴールドなどがあり、選択できます。
●通院回数
根っこの治療の回数は治療の条件によって変わります。
理由として、前歯と奥歯での根っこの数に違いがあり、また初めて治療をするか、再度治療をするかで難易度が大きく変わってくるからです。何度も長く通院したことがあるという患者様もいらっしゃると思います。
根管内部の清掃(細菌の除去)をくりかえし行い、徹底的に綺麗にする必要があるためです。
根管治療は1回で終わるケースもありますが、最低でも2~3回、平均で3~4回程度の通院が必要になる場合が多いです。
●通院期間
根管治療の通院期間についてですが、患者様の症状や状態によって大きな差があります。
根管治療の約90%は、根管の清掃をして、中の詰め物をするまでを考えると、1ヶ月~1ヶ月半くらいが目安です。
また、治療後に根管内部の細菌が増えて再治療を受けた場合は最長で6か月~1年以上の通院が必要になることもあります。
●根管治療中に中断をしてしまうと…
1回目の根管治療後、「虫歯の痛みがなくなったから」「仕事が忙しい」等で、根管治療を途中で中断される場合、治療と治療の間には仮のフタをしますが、時間が経つと隙間から細菌が根っこの中に入る場合もあります。
再感染を防ぐ為にも、根管治療は回数がかかってご負担をおかけしますが、完治まで通っていただくことが重要です。
当院では根管治療によって、歯の内部で起こる問題を解決し、患者様の大切な歯の寿命を延ばして長くお使いいただくためのお手伝いをしております。
少しの違和感や、ちょっとした痛み、不具合など、気になることは、すぐにお気軽にご相談くださいませ。