「キーン」という歯の痛みは知覚過敏のサイン?!
2019/07/04
冷たいものがほしくなる季節-。7月25日は「かき氷の日」。
1933年7月25日に山形市で日本の最高気温(40.8℃)を記録したことと、かき氷の別名「夏氷(なつごおり)」の語呂合わせにちなんで、日本かき氷協会が制定したそうです。現在では、その記録が更新され、埼玉県熊谷市の41.1℃が最高記録となっています。
冷たいものを食べたり飲んだりしたとき、「キーン」または「ズキン」と歯に痛みを感じることありませんか?
7月25日は「知覚過敏の日」でもあります。CMでご存知の方も多いと思いますが、歯磨剤「シュミテクト」を製造販売している製薬会社が、知覚過敏予防に理解を深めてもらおうと制定しました。
知覚過敏の原因とは…
知覚過敏とは、歯の表面のエナメル質が欠けたり失われたりすることで、その内層にある象牙質が露出することで症状が表れます。象牙質には、象牙細管という管のようなものがあります。その奥にある歯髄という神経に刺激が伝わってしみたり、痛みを感じたりするのです。その原因として、
- 〇歯周病や加齢などにより歯茎が下がる
- 〇間違ったブラッシングでエナメル質が傷ついたり、エナメル質が削れる
- 〇歯ぎしりや噛みしめによる歯のすり減り
- 〇虫歯や打撲で歯が欠ける
- 〇酸性の飲食物によるエナメル質の消失
- 〇歯のホワイトニングの薬剤による一時的な症状
- 〇歯石除去や虫歯治療後の一時的な症状
などが挙げられます。
一過性の痛みと軽視すると怖い知覚過敏
冷たいものや熱いもの、酸っぱいもの、甘いものを食べた時や歯磨きや風があたった時など、痛みを感じたら、知覚過敏を疑いましょう。
虫歯との違いは、刺激に対する痛みが一瞬かどうかです。「痛みは一瞬だし、我慢できないほどではない」と、ついそのままにしてしまいがち。また、痛みが感じなくなる場合もありますが、その時は要注意です。痛みのせいで歯磨きがおろそかになることで歯垢がたまり、象牙細管にフタがされるような状態になって、痛みが感じなくなる可能性もあります。それが、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。
まずはセルフケア、正しい歯磨きで知覚過敏を予防・改善
知覚過敏の予防について、自宅でできるセルフケアは、正しい歯磨きをすることです。
歯茎を傷つけないように、柔らかい歯ブラシを使い、ペンを持つように軽く握ります。ポイントは「毛先の当て方」「力加減」「動かし方」です。
毛先を歯面に垂直に当て、毛先が広がらない程度の軽い力で、1~2歯ずつ磨くように小刻みに動かします。歯の裏側も忘れずに磨きましょう。
また、痛みを感じる部分にイオンバリアを作り、刺激から守ってくれる硝酸カリウム入りの知覚過敏用や研磨剤の少ない歯磨剤を使うのも効果的です。
歯科医院での治療法
知覚過敏が軽度であればセルフケアで予防、改善される場合もありますが、痛みが強くなったり、症状が続くようであれば、早めに歯科医院で適切な処置と指導を受けましょう。
歯科医院では、まず痛みの場所を確認しその原因を見つけます。
軽度の知覚過敏であれば、露出した象牙質に薬剤塗布し、エナメル質を強化します。エナメル質が大きく欠けている場合は、レンジ充填といったプラスチックを詰めることで外からの刺激を遮断します。また、レーザー照射で象牙細管を封鎖して、刺激が伝わるのを防ぐ治療もあります。
嚙み合わせが問題であれば、強く当たっているところを削って調整。歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、ナイトガード(マウスピース)の装着をおすすめします。そのほか虫歯や歯周病の治療など、原因や進行具合により治療法が異なります。
全ての方に共通する最も重要なことは歯磨きです。歯科医院では、正しいブラッシングの仕方を丁寧に指導します。歯磨きは口内ケアの基本。知覚過敏だけではなく、虫歯や歯周病の予防にもなります。
歯がしみる原因はさまざま。「歯がしみる=知覚過敏」とは限りません。カリエス(虫歯)になっていることも多くあります。
歯がしみるのは、何かのサインです。知覚過敏の治療の最終手段として、歯の神経を抜く場合もありますが、そうなる前に症状がでたら一度、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
暑い夏、しみない歯で美味しくかき氷をいただきましょう!