お口の健康を保って認知症予防!
2019/02/01
認知症予防と歯科は関連がないように思われますが、実はさまざまな点から大きく関連していますのでいくつか紹介したいと思います。
歯の残存数と認知症の関係
まずは、残存歯数と認知症発症リスクとの関連です。年齢、生活習慣や治療疾患の有無などに関わらず、歯が少ない人は認知症発症リスクが高くなり、特に歯がほとんどないにもかかわらず義歯を使用していない人は、歯が20本以上残っている人の1.9倍も認知症発症リスクが高くなっています。しかし、歯がほとんどない場合でも義歯を使用することで、認知症の発症リスクを4割も抑制できることが判りました。
歯周病で認知症が悪化
また、動物実験では歯周病が認知症を悪化させる可能性があることが示されました。さらに、かかりつけ歯科医院を持っている人に比べ、持っていない人の認知症発症リスクは1.4倍にのぼり、歯の状態が脳の働きを含め身体全体の健康に大きく影響を及ぼしていることも判りました。
自分の歯を20本以上残して健康維持
平成元年から厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「8020運動」。80歳になっても20本以上自分の歯を残そうという運動です。20本以上自分の歯があれば、しっかりものを噛んで、ほぼ満足できる食生活を送ることができるといわれています。つまり、自分の歯が20本より少なくなると、食べたいものが食べられなくなるのです。最近では、お口の健康に対する意識の向上もあり、高齢になっても自分の歯が残っている人も増えてきました。
歯の状況(20本以上の歯が残っている人の割合)
8020達成者は51.2%で、平成23年の調査結果40.2%から増加している
(8020達成者は、75歳以上85歳未満の数値から推計)
出典:「平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)」
食べるということは心身の健康の元。お口の健康を保ち、よく噛めるようにすることがこれからも元気にお過ごしいただくための秘訣です。どうぞお口の健康に十分お気をつけ下さい。認知症予防のためにも歯科医院での定期的な健診とメンテナンスをお勧めします。