2018/10/31
朝夕の寒さが増し、冬がもうすぐそこまできています。今年も予防接種などインフルエンザ対策を始める時期となりました。
2015年の日本大学歯学部の研究によると、口腔内の細菌は、インフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくするプロテアーゼやノイラミニダーゼという酵素を出すため、口の中が不潔だとインフルエンザに感染しやすくなります。 さらに、口腔内の雑菌が出すノイラミニダーゼを介してインフルエンザウイルスが増殖するため、ノイラミニダーゼの働きを妨げるタミフルなどの治療薬が有効です。 しかし、同研究において、口腔内の細菌の培養液をウイルス感染した細胞にかけると、ウイルスの放出量が増加し、タミフルを投与してもウイルスの放出量が抑えられなかったそうです。つまり、口腔内が不潔だと、タミフルなどの抗インフルエンザ薬が効きにくくなる可能性があることが分かりました。
また、奈良県歯科医師会がある介護保険施設で行った研究で、丁寧な歯磨きや舌みがきの指導を実施したところ、通常の歯磨きをしていた施設に比べ「インフルエンザの発症率が10分の1に激減した」という報告もあります。
※参考:「財団法人日本口腔保健協会」
そもそも、口の中は細菌が多いので、口腔ケアを怠っていたり免疫力が低下していると、歯周病菌が体内に入り、肺炎や心臓病などを引き起こすことも分かってきました。
毎日の口腔ケアで細菌を減らすことができ、インフルエンザの予防だけでなく、全身の疾病予防にもつながります。 歯磨きの際には、歯だけではなく、専用のブラシで舌をブラッシングしましょう。舌には多くの細菌が付着しており、プロテアーゼを発生させます。 また、歯ブラシにも細菌が付着しているので、月に一本を目安に歯ブラシを交換した方が良いでしょう。
これからの季節、口内ケアを万全に、感染しない、感染させないよう、インフルエンザ対策をしましょう。