歯や口の健康を守るために大切なのは、虫歯や歯周病になる前に、歯科医院での「プロケア」と毎日の「セルフケア」を継続して行う「予防歯科」。正しく実践するためにはどうすればいいか、Q&Aでご説明します。
虫歯や歯周病は歯垢(食べカスではなく、最近の塊)が原因でおこります。
厚生省の調査では、98%の人が歯をみがいています。それでも虫歯や歯周病がなくなりません。実はみがいていてもみがけていないからなのです。それでは歯のみがき方の要点を説明します。
歯ブラシの背の方から見て開いた毛が見えたら交換の時期です。
量をたくさんつけすぎると、歯の表面を傷つけたり、口の中が泡だらけになりていねいにみがくことができなくなります。適量は毛の部分の4文緒1ぐらいです。また、フッ素入りの歯磨き剤を使いましょう。
歯に垂直に歯ブラシを当てて5mm程度の小さな振動で磨きます。あまり大きく動かすと、歯と歯の間の汚れが取れないばかりか、歯や歯肉を痛めてしまいます。
歯ブラシは鉛筆を持つ要領でにぎり、約100gの力(歯ブラシの毛を指で押して毛先の皮膚が白くなる程度)でみがきます。歯ブラシの毛先が1ヶ月以内に広がるのは力の入れすぎです。
可能な限り1日3回、毎食後行います。時間は通常5分はかかり、3分間は最小限必要です。
当院では下記の歯ブラシを販売しています。
歯磨き剤は、次の商品をお勧めします。
プラークの中に住んでいるミュータンス菌が虫歯をつくります。プラークをなくすためには丁寧なブラッシングが必要です。小学校低学年以下の子供では、本人任せにしないで仕上げ磨きをしてあげてください。高学年以上の子供では時々、歯垢染め出し液で磨き残しがないかを確認することが必要です。歯科医院でブラッシング指導を受けると良いでしょう。
食べ物の中の糖をミュータンス菌が分解して酸をつくります。この酸に歯が溶かされて虫歯になります。
おやつ、ジュースなど取りすぎていませんか?おやつなどで取る砂糖の量は1日約20グラムが目安です。ケーキ、アイス、コーラ、ポカリスエットなどを1つ取ると砂糖の1日量を超えてしまいます。
歯の形や質によって虫歯のなりやすさが違います。溝が深く磨き残しが起きやすい奥歯には歯科医院で予防充填処置(シーラント)を受けると良いでしょう。また、歯の質を良くするために家庭ではフッ素入りの歯磨剤や洗口液を利用、また歯科医院ではフッ素塗布を受けると良いでしょう。
ミュータンス菌が作った酸に歯が接触している時間が長くなると虫歯になります。長い時間をかけておやつやジュースを取るとその時間中、歯が溶かされています。だらだらと飲み食いするのは止めましょう。